18世紀になるとウインザーチェアーのデザインも多様化を示すようになりました。
その代表的なタイプに「ボウバック」または「フープバック」と呼ばれる、弓背形のウインザーチェアーがあります。
弓背形の枠は、コームバック型のウインザーチェアーの強度を増すために導入されたアームボウ(弓形肘掛)の原理をヒントにしたもので、1740年代に考案されたといいます。その後のウインザーチェアーの主要なタイプとなります。
ボウバックのアームチェアーは背もたれと肘掛けの双方が弓状に湾曲していることから、ダブルボウとも呼ばれます。
鞍形の座面や弓形をした肘掛けなど、随所に職人の手仕事の技が光ります。
豊かな経験により磨かれた職人の技は、“designing for human use ”まさに今で言う人間工学。
作りは堅牢でありながらも座り心地に硬さは感じられません。