アーコール社 (ERCOL)とは
アーコール社は現存するイギリスの老舗家具メーカーです。
1888年イタリアで生まれ、20世紀初頭にイギリスに移住してきた家具デザイナーの“ルシアン・アーコラーニ”によって、1920年にハイ・ワイコムにアーコールファニチャーは設立されました。
ウィンザーチェアーに代表される伝統的な製法と、モダンデザインを融合させた堅木のコレクションは、さりげないデザインで軽やかでシンプル。戦後に建てられた家やモダンなインテリアにも難なくフィットし好評を得ました。そのデザインは北欧のスカンジナビア家具にまで影響を与えたとも言われます。
1957年デザインのスタッキングチャイルドチェアーは、小学校などの施設で多く使用されました。背面にはサイズを表す色が丸くペイントされ、白がSSサイズ、黄色がSサイズ、赤がMサイズ、青がLサイズ、緑がLLサイズを表します。片付けしやすいことを配慮しスタッキング(段重ね)ができるように作られました。まさに実用が生んだデザインと言えるでしょう。
マーガレット・ハウエル(英国の服飾デザイナー)は、イギリスの戦後のモダニストデザイナーたちによる革新的なデザインと実用性を融合させた作品に長年敬意を払ってきました。そこで彼女はこのアーコール社・スタッキングチャイルドチェアーのオリジナル品をロンドンショップで展示することにしました。その展示でアーコールチェアーは大好評を得ることになりました。
それをきっかけにアーコール社は2002年から同商品の復刻版の製造を開始するまでになります。その後マーガレット・ハウエルのショップでもこの復刻版は販売されることとなり、たちまち人気が高まりました。マーガレットハウエルのイギリス本店では、ここは家具屋?と思わせるほどアーコール家具が並んでいます。
復刻版が発売されたことで、オリジナルであるアンティーク品の人気にも拍車がかかりました。このスタッキング・チャイルドチェアーや、アングルポイズランプなどは彼女のお気に入りとして、多くのインテリア雑誌などで頻繁に紹介されています。
子供が使っても壊れない堅牢な作りと、アーコールらしいクラシカルモダンなデザインを両立させたこの椅子は、実用はもちろん飾ってあるだけでも絵になります。50年代のモダニズムにも通ずるデザインですので、現代家具や住宅などとの相性が良いのも特長です。
ネストテーブル
「ネスト=入れ子」のテーブルです。
文字どおり、大・中・小のテーブルが入れ子になっています。
両脇に対になった椅子を配置し、ネストテーブルの上には植物やランプを飾り、椅子の背面壁には額縁に入った写真や絵を掛ける。
このようなディスプレーを洋書などでも見かけると思います。
そういったシンメトリー(左右対称)な演出は、ヨーロッパでは伝統的なデコレーションで洋室インテリアの基本です。
もちろん、大中小それぞれを別々の場所でお使い頂いても構いません。
素敵な利用法を見つけてみてください。