マルケトリー(Marquetry)
マルケトリーと呼ばれる象嵌細工が施されています。マルケトリーとは象嵌加工技法の一つで、主に家具や時計などに風景や花柄の装飾模様が描かれます。
厳密にはインレイ象嵌とは異なる技法ですが、広義としてインレイに含まれるとする考え方もあります。はめ込まれる異材として、象牙・べっ甲・貝の真珠層・スズ・真鍮・銀などを使うこともあります。
インレイ象嵌の歴史は古く、古代エジプトやギリシャ時代の遺品にまで見ることができます。
対して、マルケトリー象嵌は16世紀にイタリアのフローレンスで生まれ、17世紀にフランスで花開いた技法です。一般的なインレイ象嵌よりも緻密な模様が描けることから、高級家具に施す装飾の代表的な手法へと昇華しました。