シェーカー家具
シェーカー家具とは、18世紀後半にアメリカで誕生し、キリスト教の少数派であるシェーカー教徒が作り出した家具をさします。
規律を大切にし、労働を尊いものと考える彼らは、田園での農業や牧畜、そして手工業を中心とした自給自足の共同生活を送り、生活用品や道具や家具なども自分達で作りました。
「美は有用性に宿る」「規則正しいことは美しい」「調和には大きな美がある」「言葉と仕事は簡素であること」という信条を背景に、無駄な装飾が排された素朴で美しいデザインの家具が多く生み出されました。
簡素なデザインと機能性が融合した、プリミティブかつミニマムな造形は、現代においても普遍の美しさをもつと言えるでしょう。
生活から生まれたシェーカー家具に、日本でいう柳宗悦の民藝運動の「用の美」に通じるものを見ることができます。
機能性を追求し用途に徹して無心に作られた物からは、無駄な虚飾は排除され、美しさが残ります。
彼らの残した物から、美しさが日常にもあるのだということを教えられます。