ナイジェリアのヨルバ族(Yoruba)の「祈祷杖・頭部」です。 シャーマン(shaman)が祈祷の際に使った杖の先端部分です。 象牙に施された彫刻には、ヨルバ彫刻に多く見られる重層構造が垣間見られます。 集団の中心にある人物であり、呪術を用いて神格化されたものと意思をはかる祈祷を行い、 伝承的な医術を施し、歴史や神話を人々に息づかせる役割を果たす宗教的職能者をシャーマン(shaman)と呼びます。 呪術(まじない)は人類が基本的な社会構造である集団を形成したときから発生したと言われ、 古今の世界各地に、多岐に渡る様式・形式・儀式を見ることができます(身近なところで言えば、占いやお守りやおみくじなどもそういったものに含まれるでしょう)。 近代科学が発達する以前の歴史では、呪術とは目に見えない力をコントロールする為の「術」全般を指し、 時代とともに様々な手法が生み出され、宗教的職能者によって様々な目的で使われるようになります。 呪術は時に政治手段であり、時に伝承医術でもありました。 呪術を用いるシャーマンは、集団における司祭であり、医者であり、賢人です。 神に加護を祈り、祖霊から叡智を継承し、天候や吉凶を占い、指針を示し、諍いを収め、病気を治す役割をもつことから、 部族内において人々の心の拠り所となる非常に重要な存在であります。 シャーマニズムは世界各地で数多く見られ、日本古来の信仰体系「神道」も起源はシャーマニズムです。 日本における神社や、ヨーロッパにおける教会中心の社会構成も、そういった宗教的職能者が集落の中心であった名残りと言えるでしょう。 神聖視する対象に祈りを捧げるという人間の行動様式では、多様な身体動作や姿勢などと同時に、特定の道具を用いるというケースが普遍的に見られます。 千を越える民族がいるというアフリカにおいては、各民族は独自に宗教体系を発展させてきましたが、 その多くはアニミズムやシャーマニズムに基づく民俗宗教であり、仮面や神話・音楽や踊りなどとともに土着の信仰を作り上げてきました。 祈祷道具もまた土着の信仰儀式の中で受け継がれていきました。 願いを信仰の力によって祈り、具現化しようとする際に用いる祈祷道具は、 神々や祖霊と結びつく重要な道具として非常に尊ばれました。 ビートルズの歌う「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」。 この「ob-la-di,ob-la-da」はヨルバ族の言葉で、「life goes on=人生は続く」という意味として有名ですが、 はるか昔からヨルバのシャーマンの叡智によって投げかけられてきた言葉なのかもしれません。
木臼
0円 (税抜)
セレモニーボックス
250,000円 (税抜)
祭器
ブロル
※1組での価格です。
450,000円 (税抜)
祈りの木板
ボルコト
35,000円 (税抜)
髪飾り
95,000円 (税抜)
土偶
65,000円 (税抜)
90,000円 (税抜)