心をゆるめてくれるモノ

心をゆるめてくれるモノ

ガラス瓶に名前も知らない草木を挿してみました。

花瓶に切り花を挿して飾ると、インテリアに潤い与えてくれるので気分まで明るくなるのですが、こうした「ただのガラス瓶に、なんでもないような草木を挿す」のも・・・なにか好きなんですよね。

このガラス瓶は、光が抜けないと黒色に見えるくらい深い緑色のガラスで出来ています。
瓶の中身の品質を維持するためには、光の影響を受けにくい茶色ガラスや緑色ガラスが適しているのだそうです。

ボトルの肩には、KRASとエンボスされた丸型のガラス製の“シール”があります。
こうしたシールには、個人の名前やイニシャル・紋章や家紋、居酒屋や商業施設の店名、ボトルに何が入っているかを示す文字やデザイン、商人や醸造家のマーチャントマーク、製造業者の識別マークや商標マーク、時には日付などが刻まれています。

シールは、製造工程の最終段階でボトルの製造業者によって施されました。
ガラスボトル(吹きガラスまたは成型ガラス)がまだ温かいうちに“小さな溶けたガラスの塊”を置き、そこに文字やマークが刻まれた金型をスタンプのように押し付けて作られました。

シールが施されたガラスボトルの最古の記録は、1571年にまで遡るというのだから驚きです。
元々はワイン用のガラスボトルにこうしたシールが施されました。その頃はワイン自体が高価でしたが、ガラスボトルに入ったワインはさらに高価なものでした。
シールに刻印された個人の名前・イニシャル・紋章などは、ワインの所有権を示すだけでなく、ある種のステータスシンボルとしても機能したのだそうです。

今回撮ったボトルは、ワインボトルではありません。
フォルムやガラス色を見ますと、ベネディクティン(フランス産のブランデーベースのリキュール)の古いボトルに良く似ているのですが、ベネディクティンボトルとはシール部分のデザインが全く違います。
また、シールにある“KRAS”という文字も何を示しているのか分かりません。
各部の特徴から20世紀前期頃のリキュールボトルと推察されますが、それ以上はいまのところ不明です。
ボトルマニア(?)の方で分かるかたがいらっしゃったら、ぜひ教えてください。


さて、細かなウンチクは横に置いておきましょう。

こうした、「ただのガラス瓶に、なんでもないような草木を挿す」の、その気負い過ぎていない立ち姿が好きなんですよね。
そんなに気を張らないでリラックスしていいんだよ・・・感が出ていて心がほっとします。

必要以上に力んでしまうことの多い現代生活。
日々の暮らしのなかに、こうした“心をゆるめてくれるモノ”を取り入れてみてください。

 

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