
胴吹き桜
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店から200mくらいにある池田公園は、春になるとソメイヨシノがたくさん咲く公園です。
満開の時期には、シートを広げてお花見をしている方もいます。
「何部咲きくらいかな?」と様子を見に行ってみたところ、開花しているものと蕾のものが混在している“咲き始め”の頃合いでした。
明日からまた寒くなるようなので、来週末くらいが満開の頃でしょうか。
ソメイヨシノは日本を代表する桜の品種で、淡い紅色の花が一斉に咲いて散ります。
その名称は、江戸時代末期の染井村(現在の東京都豊島区の巣鴨から駒込あたり)の発祥に由来します。
園芸の里である染井村には多くの植木職人や造園師が住んでおり、園芸の技術向上や花木の品種改良に励んでいました。
ある植木職人によって、エドヒガンとオオシマサクラを配合させた新しい桜が作り出されました。
それは桜の名所として名高い大和国の吉野山にちなんで「吉野桜」と名付けて売り出し、全国へ広まりました。
吉野山に多いヤマザクラと混同される恐れから、1900年に博物学者の藤野寄命によって「染井吉野」と名付けられました。
接ぎ木に適し環境適応性も高いことから、明治時代以降全国で植樹されました。
現在は北海道の一部と沖縄を除くほぼ全国に分布し、全国の桜の約80%がソメイヨシノと言われています。
そうしたことから、現代の多くの日本人は桜と言えばソメイヨシノをイメージするようになりました。
春の象徴とも言えるソメイヨシノの、開花直前の姿が小粋で可愛らしかったので撮ってみました。
私・・・枝に咲く桜ももちろん好きなのですが、なぜか幹に咲く桜のほうに目が行ってしまいます。
幹に花が咲くこの現象は「胴吹き桜(どうぶきざくら)」と呼ばれ、樹齢を重ねた老木でよく見られる現象のようです。
桜は老木になってくると、葉で光合成をする力や根から栄養を取る力が衰えてきてしまい、土台である幹に栄養が回りにくくなってくるのだとか。
そこで老桜は、少しでも多くのエネルギー確保を図ろうと、既存の枝だけでなく幹からも直接花を咲かせるのだそうです。
胴吹き桜は、桜の木を守るためにどの枝よりも早く花をつけ、他の花が散ってもなお遅くまで咲き続けるそうで、そこに老桜の生命力と気骨のようなものを感じることができますね。
枝には、春の使者・シジュウカラがとまって、ツツピー、ツツピーと囀っていました。
その地面には、春の風物詩・タンポポが黄色い花を咲かせていました。
そんな感じで公園は春の訪れで賑わっていました。
さて、あとで桜餅でも頂きましょうか。